大型トラクターの配備で
主幹事業の将来を見定める。

 

渥美運輸株式会社(愛知県豊橋市)

登場人物(2024年9月取材当時)

渥美運輸株式会社 代表取締役社長 石川 昌義 様

渥美運輸株式会社 専務取締役 営業本部長 中村 年宏様

UDトラックス株式会社 愛知地域営業部 カスタマーアドバイザー 永井 智博

代表取締役社長の石川様(左)と、専務取締役の中村様(右)。中村様は、車両管理の最終決済及び経営戦略のマネジメントを取り仕切る、勤続44年の営業本部長。就任21年目の石川社長の考えや方針を深く理解し、経営のサポートで日々奮闘されている。

カスタマーアドバイザー(CA)の永井。歴代の営業担当者から業務を引き継ぎ、渥美運輸様の担当になって3年目に入る。同社の13拠点の使用車両を一括して引き受け、UD車両の複数台納車にも機敏に対応し、信頼獲得につなげて強い絆を築いている。

愛知県豊橋市に本社を置き、食品から産業機械まで多岐にわたる輸送品目で事業を支える、渥美運輸株式会社様。特に、鉄鋼関係の重量物輸送では、長い経験と実績を誇り、多方面から高い評価を得ています。今回、UDトラックスの新型トラクターQuon(クオン)GW6×4の複数台導入に至ったその経緯について、当社の永井が石川様と中村様にお伺いしました。

 

新たな輸送時代の要求に対応し物流の担い手として経済支援

(永井) まずはじめに、御社の業務内容について、特にQuon GWを使った重量物輸送についても詳しくお聞かせください。

(石川) 当社は、大きく3つの事業から成り立っています。①トラックによる輸送業務のほか、②クレーンを用いたクレーン据付特殊作業、③貸倉庫による保管業務など。多種多様なお客様に対して柔軟に対応できる事業展開で、様々な積荷を運送しています。その一例として、パレット製品、海上コンテナ、化学製品、特殊貨物配送など。また豊橋市は、全国的に見ても農業が盛んな地域で、農業産出額では全国第1位を誇り、生花や野菜の運送や保管にも携わっています。このように現在では、食品から工業製品まで輸送品目は多岐にわたっています。特にその中でも、重量品部が扱う、産業設備機械、建材、鋼材関係の重量物の輸送は当社の主要事業でもあり、長い経験と実績を多方面からご評価いただいています。

 

GWトラクターの試乗会で輸送会社の各オーナーが高評価

(永井) Quon GWの導入に先立って、試乗会に参加していただきましたが、その時の印象やご評価はいかがでしたでしょうか。

(中村) UDトラックス本社のテストコースで試乗をさせていただきました。当社は、重量物をフル積載した輸送が多いのですが、ブレーキの効きは特に気になるポイントです。試乗したQuon GWは、補助ブレーキがよく効いていて安心感がありました。また、ステアリングを握った瞬間から操舵力の軽さが伝わる、UDアクティブステアリングにも驚かされました。主なクライアント先への運送経路は舗装道路を走りますが、悪路が多い場所を走行する工事現場へも搬入します。路面の凸凹の衝撃を自動補正するステアリングの安定感は圧巻でした。特に印象に残ったのは、試乗会に参加された輸送会社を経営する社長さんの生の声です。試乗後に感想など雑談するのですが、ほぼ全員が高く評価されており、普段からドライバーとして活躍されている方々のコメントは、より説得力がありましたね。従来の大型トラクターの運転操作に対するイメージをガラリと変える圧倒的な完成度に、皆さん一様に納得されていました。

(永井) ありがとうございます。御社では、QuonGWを合計4台ご導入されていますが、ドライバー様のご評価はいかがでしょうか。

(中村) Quon担当ドライバーとは、走行性や操作性の感想をよく話しますが、全員喜んでいますね。特に、UDアクティブステアリングのハンドルの自動戻り機能が助かっているようです。あとはESCOTーⅦ。素早く滑らかな変速とズレのない応答性で、坂道でも速度が落ちることなく安全走行ができると、各ドライバーから高い評価を聞いています。

(永井) 口頭でのご説明以上に、試乗会にて実際に乗って実感していただくのが一番Quon GWの魅力をお伝えできると思いました。特に重量物の輸送では、こうした長所をご理解の上ご購入いただきましたことは、本当に嬉しく思います。

Quon GWの専任ドライバーは、現在4名が在籍(写真は下平 充典様)。ドライバーが1車両に対して固定で乗車する1車1人制を採っている。東三河地区ではQuon GWの導入はまだ珍しく、外部からも大きく注目されている。

GWトラクターに加えてGKトラクターも増車

(永井) 御社では2023年から、QuonGWとQuon GKを複数台導入されていますが、その経緯をお聞かせください。

(石川) 当社は背後に2つの港を控え、海路から陸路輸送への重要なアクセスポイントに立地しています。その積荷のひとつに、海上コンテナがあります。名古屋港と三河港の埠頭に荷付けされたコンテナをお客様へ運ぶのですが、4╳2のQuon GKを、海上コンテナ輸送専用トラクターとして使用。さらに、鉄鋼関係の重い積荷を運ぶのが、重量物輸送専用トラクターとして6╳4のQuonGW。それぞれ業務別に使い分けています。導入の総台数で言えば、9台の新車両が各拠点に配属されています。

(永井) 当社製品をご愛顧いただきありがとうございます。UDのトラクターを選ぶときの基準はどのような点でしょうか。

(中村) 輸送会社の事業計画のひとつとして、トラックの納車がいつされるのか、という大きな問題があります。納車のめどが立たないと、輸送業務に支障を来してしまい、代替計画がまったく見えず、事業そのものに狂いが生じます。その点においてUDトラックスは納車までの期間が早く、当社としても大変助かっています。

 

全社を挙げて安全面を強化し社員教育の徹底で事故を防止

(永井) 御社が特に注力されている、安全面に対する考え方について詳しくお教えください。

(石川) 当社は、輸送の安全確保が最も重要であるという考えのもと、教育や啓蒙活動を通して安全運輸マネジメントに取り組んでいます。全社員にこの意識を徹底させるため、様々な安全活動を行っています。

(永井) 安全運輸の向上に向けて、具体的にはどのような取り組み方をされているのかを、ぜひ詳しくお教えください。

(中村) 一番大きな活動は年1回の「安全大会」です。社員全員を集めて安全啓蒙活動を展開。事前活動として、毎月1回以上の「安全会」を行っています。輸送現場で何かトラブルが起きたときには、必ずそのトラブルに対して審査し検証会を行い、再発防止を徹底しています。また、UD車両の安全装備としては、納車時にサイドレーダー(側方衝突警報装置)装備車両を永井さんにお願いしています。左右両側にセンサーを装着し、他の車両が接近してきたことを知らせる装備なのですが、他社車両では左側にしか装着できません。当社では「第一走行車線を走りなさい」という指示をドライバーに課していますが、この安全装備には大いに助けられています。

(永井) サイドレーダーは予防安全の観点から、隣接レーンの車両を検知し、追突事故や接触事故の危険性を低減させることができます。御社の安全輸送に寄与すると思い、中村様に装着車をご提案させていただきました。加えて、車間距離への意識と実践が安全運転につながるエコドライブ講習会も開催させていただき、渥美運輸様の安全面をサポートさせていただいております。

社員数400人、車両総台数350台、大型トラックドライバー200名を内側からサポートする、活気と笑顔に満ちた本社スタッフの面々。安全確保の最優先が特に求められる、鉄鋼重量物の輸送という特殊な業務の運行管理やコスト業務を一手に担っている。

循環型社会への対応に向けてUDトラックスが全面サポート

(永井) 最後になりますが、石川社長が抱えられている2024年問題の対応策や、これからの企業展望をお聞かせください。

(石川) 2024年問題では、人手不足が課題です。給与形態を変え、週休二日にしたりと、一般的な働き方に近づけようとしています。事業に関しては、急激な業務拡大をすることは、今のところ視野には入っていません。ただ三河港が、循環型経済の港になりつつあります。市内にはバイオマス発電所の新しいインフラも建設され、変貌する流れの中で、当社の立ち位置を模索している最中です。いきなり新規事業への参入ではなく、今まで培ってきた鉄鋼輸送の得意分野を伸ばしつつ、大きな使命感を抱き、循環型社会に向けてきちんと対応し貢献する。そんな、存在を期待される企業に育てたいと思っています。

(永井) 今後も渥美運輸様のビジネスの更なるご成功に向けて、新機能の製品など、お役に立てる提案をいち早くご用意します。石川様、中村様、本日は誠にありがとうございました。

渥美運輸株式会社:1942年の創立以来、「安全・迅速・安心・信頼」をモットーに、輸送業務、クレーン据付特殊作業、貸倉庫による保管業務の3本柱で事業を展開。長年の経験と実績を活かし、クライアントからの要望に合わせた、新たな輸送時代のニーズに対応した物流の担い手として着実に成長している。

愛知県豊橋市明海町2番地28( 本社)