LNG輸送を主幹事業とし
脱炭素化を推進していく。

 

株式会社りゅうせき(沖縄県浦添市)

登場人物(2024年1月取材当時)

株式会社りゅうせき 輸送事業部 陸上担当 調査役兼浦添物流センター長 上江洲 剛 様

UDトラックス株式会社 沖縄地域営業部 カスタマーアドバイザー 崎山 翔

株式会社りゅうせき・輸送事業部の上江洲様。浦添物流センター長に就任されて10年目。以前は大型車両の整備をしていた経緯で、現在でもLNGタンクローリーを運転することがあるという。輸送事業部の車両統括として、物流センター8ヵ所の窓口も兼務されている。

カスタマーアドバイザー(CA)の崎山。CA歴は1年2ヵ月。りゅうせき様が抱える輸送の最適化や、各種トラックのライフサイクルコストなどといった「経営に直結する課題」について、お客様に見合った最良の解決策を提案し続ける業務に邁進している。

沖縄唯一の民間石油会社として1950年に設立した、株式会社りゅうせき様。創業当時から、エネルギーの安全かつ安定供給を社業の使命とし、公共性の高いインフラを軸に、総合エネルギー事業の新たな価値創出に挑戦されています。UDトラックスのQuon(クオン)GKトラクター初導入に至ったその経緯について、当社の崎山が、浦添物流センター長の上江洲様にお伺いしました。

 

輸送の効率化を目指して大型タンクローリーを導入

(崎山)まずはじめに、御社・輸送事業部の業務内容について、特にLNG(液化天然ガス)輸送の経緯についても詳しくお聞かせください。

(上江洲)当部署は、株式会社りゅうせきの陸上輸送事業部として、沖縄県下で一般家庭から業務用まで幅広く石油製品の輸送、LPガス・LNGガスの輸送、及び石油・ガス貯蔵施設の管理を行っています。今回、沖縄電力様より火力発電所の石油燃料からクリーンエネルギーのLNGに燃料転換する計画があり、当社にその輸送を要請されたのがきっかけです。現在でも8トンのLNGタンクローリーの単車を使っていますが、輸送効率を考え大量輸送が可能な、最大容量14トン積・異径胴のLNGタンクローリー導入を決定しました。

 

安全運転をサポートする総輪ディスクブレーキ

(崎山)QuonのGKトラクターについて、ご導入のいきさつとご評価をお聞かせください。

(上江洲)他メーカーさんもトラクターヘッドを取り扱っていらっしゃいますが、周りの運送会社さんに話を聞いていると、やはり大型のヘッドと言えばUDトラックスさんの評判が一番高いですね。横並びで皆さんが使っていらっしゃる、そこに強い安心感があります。当社の仕事だと、重量物を積載した状態で走行することが多く、悪路も多いためブレーキの効きをとても気にします。やはりブレーキは、ドライバーの命と大切な積荷を守るためにも重要視するポイント。どしゃ降りの大雨など沖縄特有の天候や、急な坂道が多い道路事情などでも、Quonのディスクブレーキは車両の制動性能を確実に発揮してくれます。ブレーキについては、ドライバーからの評価も非常によいですね。

(崎山)2017年にQuonがフルモデルチェンジした際、国産大型トラックの中でも他社に先駆けて、一般的なドラム式ではなく、ディスクブレーキの標準化に踏み切りました。停止時にもまるで乗用車のようにスーッと滑らかに停止できる。リニアにドライバーの思う感覚で車両制御できるという高い評価を、様々なお客様から伺っております。ブレーキシステムには当社ならではの強いこだわりがあり、この度のご評価を誠に嬉しく思います。

LNGドライバーは、現在9名在籍(写真はリーダーの平良様)。全長16.39mのLNGタンクローリーを、一日2便のローテーションでピストン輸送する。常に株式会社りゅうせきの大きな看板を背負っているという気持ちで、安全第一の輸送に努めている。

安全意識が高く責任感の強いLNGドライバーを選任・育成

(崎山)LNGタンクローリーを操縦するドライバー様に関してもお聞かせください。

(上江洲)LNG輸送における大型タンクローリーの導入は沖縄県初の試み。それ故に、ドライバーにとっても初挑戦となる名誉ある仕事です。当社の陸上輸送事業部には、小型・中型・大型車のドライバーが180名いますが、LNG輸送に関しては、高圧ガス製造保安責任者の丙種化学(特別)の国家資格が別途必要になります。大型免許・牽引免許を保有するドライバーにこれらの試験を受験してもらい、合格者を配置転換しています。LNG輸送は、安全性を特に厳しく求められる業務。単に必要資格を有しているというだけでなく、普段から安全意識や責任感の強い社員を選抜し、個人の人柄や性格を見極めて、この人なら任せられるという優良ドライバーを乗務させています。

(崎山)LNG輸送に関して、何か特別な講習会やデモ走行は事前にありましたか。

(上江洲)試運転期間前に、沖縄以外の他社運送会社さんでLNGタンクローリーに同乗させてもらい、シミュレーションを重ねました。1つの小さいミスが重なり大きい事故に繋がりかねない業務なので、通常以上の時間をかけてでも信頼できるLNGドライバーをしっかりと育てています。

(崎山)近年、物流業界全体で人材不足が課題となっていますが、御社の状況はいかがでしょうか。

(上江洲)対策の一環として、女性社員の登用がありますが、大型ドライバーとガス充填をしている女性が2人在籍しています。当社の業務は、荷積みや荷下ろしなどの重労働の荷役がありません。LNGタンクローリーの運転は、とても繊細かつ安定感が求められるので、丁寧な運転操作を心掛ける傾向のある女性ドライバーにこそふさわしい仕事だと思います。ただ、必要な資格を取り切れないケースも多く、果敢にチャレンジしてくれる女性ドライバーが増えればと期待しています。男性だけでなく、人材不足を補う施策の一環として、女性にも門戸を広げていければと思っていますね。

(崎山)UDトラックスでは深刻化するドライバー不足の問題を背景に、運転しやすい新機能を搭載した大型車を開発しています。男性のみならず、女性ドライバーの人材確保・育成にも繋がる課題解決の一助になれば幸いです。

一般家庭から業務用まで幅広く、石油製品・LPガス・LNGガスの輸送を担当する、株式会社りゅうせきの精鋭ドライバーたち。沖縄県内のエネルギー安定供給を支え、経済発展の一翼を担っている。

安心して車両を任せられるUDのアフターサービス

(崎山)UDトラックスのアフターサービス全般については、ご評価いかがでしょうか。

(上江洲)私が所属する浦添物流センターは、沖縄カスタマーセンターに近くてとても助かっています。定期点検などの入庫など、その日のうちに納車いただけることも多いので、心強いですね。当社の業務を止めることなく、車両の引き取りから点検、修理対応まで、知識・経験の豊富なスタッフさんが一丸でサポートしていただけていますので、安心して任せられるサービス工場だと思います。

(崎山)ありがとうございます。サービスのご依頼をいただいた際は、一刻も早く稼働できる状態に戻すのが当社の使命ですので、直系工場の強みを活かし、常にスピーディなサポートを心掛けています。りゅうせき様の大切な車両を最良の状態でお使いいただけるよう全力でサポートし、トレーニングを積んだ優秀なスタッフたちが、ワンチームで取り組んでいます。

 

将来の輸送事業の課題にもUDトラックスがサポート

(崎山)最後になりますが、御社が抱えられている2024年問題の対応策や、今後の企業展望などをぜひお聞かせください。

(上江洲)2024年問題については、現時点での影響は少ないですが今後、益々ドライバー不足が深刻化してくると、影響が大きくなると考えています。ここはぜひ、UDトラックスさんの車両に貢献していただきたい点です。また当社の今後の展望としては、創業100周年を迎える2050年を目指して「新たな創業の年」と位置づけ、今年度、ブランドコンセプトを一新いたしました。化石燃料からの燃料転換を図る企業様に向けてのLNGサテライト基地の増設に加え、沖縄県内初の試みとしてカーボンニュートラルLPガスの取引を開始し、地域脱炭素社会の推進および持続可能なまちづくりに向けて、あらゆる選択肢を持って取り組んでいきたいと考えています。

(崎山)先程のお話しにも挙がりましたドライバー不足への一助として、運転環境を改善した車両のご提供が当社の大きな強みと言えます。加えて、大型トラクターの従来イメージを払拭する新機能を体験できる、デモカーのキャラバンが定期的に全国を回っていますので、ぜひご試乗いただけますと幸いです。上江洲様、本日は誠にありがとうございました。

株式会社りゅうせき

沖縄唯一の民間石油会社として1950年に創業。以来、県民生活や県経済の発展に必要不可欠なエネルギーの安定供給をはじめとし、様々な事業を展開。同県のライフラインを担う企業として成長し、近年ではそのほか観光関連や環境関連事業にも力を入れて、企業規模をさらに拡大させている。

沖縄県浦添市西洲2-2-3