鉄道利用運送業を基盤に
複合物流力で業績を推進。


水島臨海通運株式会社様(岡山県倉敷市)

登場人物(2022年11月取材当時)

水島臨海通運株式会社 代表取締役社長 林 幸治様

水島臨海通運株式会社 常務取締役 営業部長兼 四国支店長 小塚 光則様

UDトラックス株式会社岡山営業部 カスタマーアドバイザー 髙田 源氏朗

水島臨海通運・代表取締役社長の林様。今年6月に社長職に就任され、水島臨海鉄道の専務取締役も兼任されている。

常務取締役の小塚様。林様の右腕となり、車両の導入決定や各種業務のマネジメントを担っている。

岡山営業部に所属する、カスタマーアドバイザーの髙田。水島臨海通運様との付き合いはすでに8年目に入る。ピンチをチャンスに変え、全力で一生懸命に応対していくその営業姿勢は、クライアントとの信頼関係をさらに深いものにしていく。

鉄道会社である水島臨海鉄道株式会社のグループ会社にあたる、岡山県倉敷市の水島臨海通運株式会社様。中国・四国地方からJRコンテナで全国を結ぶ貨物鉄道と密接に連携し、安心・確実でクリーンな物流サービスを強みとされています。UDトラックスのトラクターを多く導入いただいている理由について、当社の髙田が、社長の林様と常務取締役の小塚様にお伺いしました。

 

地域のニーズに応える複合一貫輸送システム

(髙田) 御社は水島臨海鉄道の100%出資会社ということですが、設立について詳しくお聞かせください。

(林) グループ会社の水島臨海鉄道は、倉敷市水島地区の貨物鉄道輸送・旅客輸送を手掛けている鉄道会社です。岡山県や倉敷市、国鉄(現JR貨物)が出資して、水島地域のための第3セクターの臨海鉄道として発足しました。水島臨海鉄道はJR貨物と組んで、貨物駅から貨物駅までの鉄道輸送部分を担いコンテナで積荷を運びますが、貨物駅からお客様の工場や倉庫などへの輸送を担っているのが当社になります。

(髙田) そうした輸送方法を複合一貫輸送と呼ぶそうですが、そのメリットについてお教えください。

(林) 貨物鉄道輸送とトラックによる輸送を組み合わせた複合一貫輸送は、鉄道を利用することで大量の輸送を安定的に時間通りに実現し、対環境面では二酸化炭素の排出量も大きく削減でき、さらに幹線輸送を貨物鉄道が担うことで、トラックドライバーの負担を大幅に軽減することができます。これら、鉄道とトラックの強みを組み合わせることで、お客様の幅広い輸送ニーズに応える、きめ細かなサービスのワンストップ提供が可能になります。特に、水島地域のコンビナート群には石油化学メーカーの各社工場が多く、積荷は危険物・毒物・高圧ガスなど、工場で用いられる原材料が多く集まります。危険物などは、道路を使った長距離輸送では制限があるため、複合一貫輸送は水島地域ならではのニーズに応える安心・確実でクリーンな輸送サービスであり、当社の強みと言えます。


トラクター未経験者を採用大型免許取得をフルサポート

(髙田) 現在、経営課題として重要だと捉えている項目はございますでしょうか。

(林) 喫緊の課題としては、一つはウクライナ情勢などにより燃料価格が非常に高騰し、収支に影響が出始めていることです。二つ目は、ドライバーの確保ですね。他の運送会社さんからも聞いてはいますが、なかなか集まらないのが実情です。

(髙田) 御社では、新人のドライバー養成を行っているともお聞きしました。

(小塚) 以前は、トラクターのドライバーとして必要な資格である大型免許や牽引免許を取得している人に限って採用募集していました。しかし、そうした条件ではなかなか応募が集まらないため、近年では普通免許だけしか持たない人でも積極的に雇って、未経験から教育する資格取得支援制度を立ち上げました。技術習得だけでなく取得費用なども含めてサポートしています。入社したばかりで免許取得する前は、先輩ドライバーの隣でドライバー助手として乗務してもらいます。年代としては20代の若手が多いですね。すでに5人ほどが独り立ちしてトラクターを運転しています。もちろん最初は大変ですが、少し慣れると若い人の方が指導内容をそのまま実践してくれるので、上達はかなり早いですよ。これもドライバー不足を補う施策の一環、福利厚生の一例ですね。

鉄道利用運送業・区域運送・倉庫業をメインとし、東京営業所を含む、中国・四国地方に全7拠点を構える水島臨海通運株式会社・本社スタッフの面々。従業員96人、ドライバー55名が、日々の業務に笑顔で励んでいる。

不整路走行でも安定感のあるUDアクティブステアリング

(髙田) UDアクティブステアリングを搭載したQuon(クオン)トラクターについて、ご評価はいかがでしょうか。

(林) 当社ドライバーの声としては、速度が制限されているコンテナヤード内でも、スムースにステアリングが回せるという意見が多いです。車両の導入には、そうした現場の意見を特に重視しますね。大型トレーラーは全長が長いですから、近場を走るのでも、ストレスなく扱いやすい車両の方がいい。操作に緊張する車両を運転すると、近距離でも疲れてしまいます。UDアクティブステアリングの長所として、高速時の直進安定性がいい、自然なハンドル戻りが楽など色々ありますが、フル積載時にも、道路のひび割れや凸凹の継ぎ目でもステアリングが安定していて、特に不整路走行時の路面状況の影響を自動補正する機能が、ドライバーからは高く評価されている印象です。

(髙田) ほかにもUDアクティブステアリングの効果があるとお聞きしました。

(小塚) 先程申しましたように、取り扱う荷物としては工場の原材料、特に液体タンクコンテナの取扱量が非常に多くなっています。トラクターヘッドには、エアコンプレッサーを架装し、各社工場へお届けする際に圧縮エアでタンクへ注入するための装備が搭載されています。圧送作業もドライバーの仕事なのですが、車両の振動や揺れが大きいと、搭載しているコンプレッサーの配管ボルトが緩んだり、傷や亀裂が生じる可能性が高まります。タンクコンテナには石油化成品の危険物が積まれているため、傷や亀裂は重大な事故につながりかねません。そういった意味でも、路面からのショックを軽減するUDアクティブステアリングの機能は、大切な原料輸送の重責を支えてくれる頼もしい存在と言えますね。

 

お客様の稼働が第一UDのアフターサービス

(髙田) 弊社のアフターサービス全般についてのご評価はいかがでしょうか。

(林) UDトラックスさんで修理を依頼すると、車両のピックアップから修理対応まで、どれも早く対応していただける点が非常にありがたいです。広島や兵庫で依頼をした際にも変わらず、水島カスタマーセンターから、一番最寄りのカスタマーセンターに連絡がいき、いつも通りに迅速・丁寧にサポートしていただいたこともあります。県外に出たときでもそうした緊急の対応をしていただけると、やはりとても心強く感じます。

(髙田) アフターサービスを含め、弊社を高く評価していただきありがとうございます。とにかく、修理依頼をいただいた際は一刻も早く稼働できる状態に戻すのが弊社の使命ですので、スピーディなサポートを心がけています。例えば、夕方に修理車をお預かりしたら、早朝の運行時間までにはお返しするなど、修理・点検の時間をできるだけ効率よく対応し、お客様に信頼され選ばれるサービス工場になるよう全力で努めています。

 

各社との協働を深める未来UDトラックスがサポート

(林) 「モノを運ぶ」という仕事に徹するのも一つの選択肢ですが、ただ貨物コンテナを運ぶというだけではなくて、これからは事業の幅をもっと広げていきたい気持ちが大きいですね。現在も倉庫業としての営業はやってはいるのですが、それをもっと有機的につながるような関係性を持ちたい。輸送から保管まで丸ごと任せていただける、いわば3PL(サードパーティー・ロジスティクス)の展開ということです。水島臨海鉄道とさらに協働して貨物鉄道の強みを活かした総合物流事業を展開し、包括的に物流ソリューションを提案できるような会社にしていきたいという思いはあります。

(髙田) 特にこの水島コンビナート地域は工業地帯ですから、狭い場所や工場の敷地内を何度も切り返しやバックをしていくような、かなり高度なテクニックが必要となるケースも多いです。従来のトラクターにはないドライバー様の負担軽減を支援するUDアクティブステアリングの機能で、人材の確保に貢献し、ひいては会社経営をサポートできたらと思っています。これからもお客様のお役に立てる有意義な提案を的確にご用意し、UDトラックスの確かな品質でバックアップ体制を整え、頼られるビジネスパートナーとして、末永くお付き合いができればと思います。林様、小塚様、本日は誠にありがとうございました。

グループ会社の水島臨海鉄道株式会社は、旅客と貨物の両方の列車を走らせる全国でも珍しい臨海鉄道。水島地区と倉敷市の中心部を約25分で結ぶ交通機関として重要な役割を担っている。特に旅客列車の愛称は「ピーポー」と呼ばれ、地域に根ざした公共交通機関として親しまれている。

水島臨海通運株式会社

倉敷市水島地区の旅客および貨物輸送を行う水島臨海鉄道の100%出資会社として、1970年に設立。水島の地域とともに成長し、グループ会社との密接な連携のもと、様々な輸送ニーズにも対応できる広範囲なネットワークと、きめ細かいサービス体制で信頼を築き安定した業績を伸ばし続けている。

岡山県倉敷市潮通3-3-8